厩舎ランク概要 金子京介@JRDB

厩舎そのものに注目する

みなさんは、競馬で馬券を購入する際に、馬の実力やレースの条件・騎手の実力などは、真剣に加味して検討していると思います。
しかし、厩舎の良しあしがそのまま馬券に直結すると意識して検討したことは、ほとんどないのではないでしょうか。

実際、重賞を勝てる厩舎は、年間リーディングの50位まで
さらにG1を勝てる厩舎は、年間リーディングの20位まで

ほぼこの範囲に収まっているのは紛れもない事実。
これを知ってしまうと、リーディング上位の厩舎を外した馬券は、買いづらくなると思いませんか?
東西に200以上もある厩舎の内

年間リーディング上位50位(ほぼ4分の1)の厩舎が、全レースの連対機会の50%を独占
年間リーディングを下位50位(これもほぼ4分の1)の厩舎は、全レースで連対率10%程度

リーディングの上位厩舎と下位厩舎には、これだけ期待値に大きな開きがあるのです
ここまでは、年間リーディング争いの結果を調べると気付けることです。

しかし、短~中期のスパンで成績を見ることも、実は重要なのです。
・過去にG1レースを勝ちまくった名門厩舎であったとしても、厩舎の流れが悪くなって、全く勝ち星を稼げないスランプに陥る。
・逆に、過去に重賞勝ちに全く縁がなかったり、実績が皆無の厩舎であったとしても、突然調子が上向き一気にG1制覇まで上り詰めることがある。
このように、非常に浮き沈みの激しい業界であるからです。

例:安達厩舎の2009年度→2010年度

2009年
着別度数勝率連対率複勝率
17- 21- 24-168/230 7.4%16.5%27.0%
2010年
着別度数勝率連対率複勝率
12- 10- 14-159/1956.2%11.3%18.5%

2010年には
エスポワールシチーのフェブラリーS制覇(2/21)
サウンドバリアーのフィリーズレビュー制覇(3/14)
しかしながらその後は成績が急落しています。
短~中期のスパンで成績を見る事で、このような変化を察知する事が可能になります。

厩舎の直近の勢いをできる限り正確に掴み、指標として分かりやすい形でまとめたものが、厩舎ランクを使った予想方法です。
このランクの上位にいる厩舎を狙い続けることで、確実に重賞・G1の的中に近付く大きな手掛かりになります。


ランク分けで見えてくる事

厩舎の成績により、上位3段階、下位3段階、残りを中位として合計7段階にランキングをします。
それを視覚的に分かり易く色分けした物が「厩舎ランク」。区分は以下のようになります。

ランク分け

BOXの中の数字は、厩舎の全体数の中での順位。
全厩舎数214(2011年7月時点)内でのランキング。

1番手のピンクは、上位15厩舎
2番手のオレンジは、16位~35位までの厩舎
3番手の黄色は、36~60位
4番手の白(無色)は、61~115位
5番手の青は、116~135位
6番手の紫は、136~160位
7番手のグレーは、161~214位


ランキング内の数字は大体の目安のために算出しており、時期によって変動する事があります。


そしてこのランク分けをする事によって、以下のような偏りがハッキリ見えてきます。

連対シェアと厩舎数
最上位のピンク色の厩舎は214厩舎中、わずか15前後(約7%)の数でありながら、全レースの連対馬の15%に該当。
上位ランクピンク~黄色まで214厩舎中、わずか60~65前後(約30%)の数でありながら、約45%を独占。
下位の灰色厩舎は214厩舎45前後(約20%)の数を占めながら、10%ほどしかない。
下位ランク灰色~水色まで214厩舎中95前後(約45%)の数を占めながら、26%ほどしかない。

このように、上位と下位の厩舎では、実績の差にこれだけの開きがあります。
すなわち、馬券の対象は上位厩舎にのみ絞り、 成績下位の厩舎を買うのは控えるのが望ましいと言えます。