東京競馬場は強い馬が上位に来るコースである。適性よりも能力が要求される割合が他の競馬場よりも大きい。しかし、冬の東京競馬場には強い馬があまりいない。これが冬の東京開催を難儀なものにしている最大の原因である。変則日程で冬の東京が連続開催になった今年は、ほんとうにたいへんだった(馬券的に)。最終週はビシッと決めたいものだ。 最終週のメイン競走はフェブラリーS。秋冬のダート戦線の締めくくりとなる重要レースである。クロフネの故障引退は寂しいが、JRAのダートのスターホースに加えて地方競馬からも強豪馬の参戦があって、ダートの日本一を決めるのに相応しいメンバーが揃った。 有力馬の前走を見ると、ステップ競走の根岸Sを使われた馬が一番多いが、その他では地方競馬のグランプリ・東京大賞典からの直行組、有馬記念や東京新聞杯という芝の重賞からの転戦、さらには香港で行われた国際競走からの臨戦馬もいて、多士済々。じつにバラエティに富んでいる。 使えるレースがあったら、地方であろうが海外であろうが使いに行く。これが現在の日本競馬の最新モードである。アウェーで揉まれた馬は、ホームばかり使われている馬よりも、トータルで見たら確実に強い。強くなるための手段として遠征競馬がある、と言い換えることも可能だろう。今回のフェブラリーSで上位人気になるだろう馬たちも、みんなそうやって実力を磨いてきたのである。中央競馬だけを見ていれば馬券を買うのに充分なデータが揃う、という時代はとっくに終わっている。 理想を言えば、馬に東も西もなければ、競馬場に中央も地方もない。現実には厳然とした区別が存在しているが、ごくたまにその理想のレースが出現することがある。そして、今年のフェブラリーSはまさにそういったレースのひとつになるだろう。 | |||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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