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東京11R 毎日王冠 ◎Gジャスティンカフェ ○Iソングライン ▲@シュネルマイスター △Eエルトンバローズ △Hバラジ △Jフェーングロッテン  オッズにも表れているが、今年の毎日王冠はG1連勝中のソングライン、完全復調のG1馬シュネルマイスター、充実期を迎えたジャスティンカフェの3強ムード。G1へのステップレースである以上、他の馬にはチャンスがないとは言い切れないが、さまざまな指標で他を圧倒している3頭に付け入る隙はないとみている。  毎日王冠を好走するにあたって重要な能力は3点。1点目は「速い時計への対応力」。2点目は「速い上がりへの対応力」だ。くしくも3頭ともこの2点を満たしている。これに関しては彼らの戦歴を見れば明らかなので、詳しい説明は不要だろう。  重要なのが3点目。それは「1800mを走り切る能力」だ。これに関してはスローペース濃厚であれば、気にする必要のない要素。スローペースだと当然のことながら序盤に使うエネルギー量が低い。そのため、1F程度の距離延長はさほど影響しないと思う。  反対にハイペースになると、レース序盤からエネルギーを消耗する。となると、1Fの適性の差が重要な要素となりそうだ。  あくまで参考であるが、距離延長馬のペース別成績をまとめてみた(集計対象は下記参照)。ハイペース時の距離延長馬の成績はスローペース時よりも悪い。 ☆2歳戦を除いた芝のレースにおける距離延長馬の成績☆ Hペース勝率15.1%連対率27.9%複勝率39.8%(n=2922) Mペース勝率15.3%連対率24.9%複勝率41.1%(n=2860) Sペース勝率16.5%連対率31.1%複勝率45.6%(n=2944) ※基準1〜5番人気を対象 ※2018〜先週(JRDBデータを使用)  カテゴリーを中距離(1800〜2400)に絞っても、距離延長馬のハイペース時成績は、スローペース時よりも落ちるようだ。 ☆2歳戦を除いた芝のレースにおける距離延長馬の成績☆ Hペース勝率15.0%連対率28.2%複勝率40.7%(n=2085) Mペース勝率15.5%連対率30.8%複勝率42.3%(n=2054) Sペース勝率16.8%連対率31.8%複勝率46.7%(n=2007) ※基準1〜5番人気を対象 ※芝1800m〜芝2400m ※2018〜先週(JRDBデータを使用)  ただしこのデータには注意が必要。下記のとおり、「距離短縮&同距離組」の成績を見ると、こちらのおいても「ハイペース<スローペース」の式が成り立っているからだ。であるので、「ハイペースのレースは上位人気の馬の信頼度がそもそも低いが、距離延長馬はその影響をさらに受ける」と結論付けた方が良いかもしれない。 ☆2歳戦を除いた芝のレースにおける距離短縮&同距離馬の成績☆ Hペース勝率16.3%連対率31.1%複勝率41.1%(n=3564) Mペース勝率17.0%連対率31.7%複勝率45.5%(n=3883) Sペース勝率16.9%連対率32.4%複勝率45.6%(n=3772) ※基準1〜5番人気を対象 ※芝1800m〜芝2400m ※2018〜先週(JRDBデータを使用)  さて、長々とペースと距離延長について述べてきた。なぜこの話をしているかというと、今年の毎日王冠はハイペースが予想されるからだ。バビット、ウインカーネリアン、フェーングロッテンと名前を聞くだけで逃げ馬と判別できる存在が3頭もいる。  それを考慮すると、マイル戦が主戦場のソングライン、適性がマイル寄りになっているシュネルマイスターには一抹の不安がある。消去法的なアプローチになってしまったが、1800mへの適性という面で不安のないジャスティンカフェに期待したい。  ソングラインとシュネルマイスターの序列は付け辛い。充実ぶりであったり、根本的な能力を照らし合わせるとソングラインの方が上なのでこちらを取ってみたが、差はないと見ている。  3強以外ではフェーングロッテン、エルトンバローズ、バラジの3頭に注目している。  フェーングロッテンはハナさえ切れれば踏ん張れるスタミナがある。距離短縮の逃げ馬なのでそもそもハナを切れるかが微妙だが、確率がゼロではない限り押さえなければならない。  エルトンバローズは成長著しい3歳馬。使うたびに筋肉量がアップしている(見た目)。この成長度合いだと高速決着にも対応してきそう。  最後にバラジ。前走の新潟記念は、出遅れたことで普段の競馬ができず5着に敗れたものの、デキの良さが際立っていた。追走できるかに不安があるが、他がバテるような展開になれば上位に食い込む余地はある。



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