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阪神11R 宝塚記念 ◆概要◆  このカテゴリーでは現役最強であるイクイノックス。弱点という弱点が見当たらないので、自動的に同馬が本命。ただ、天皇賞春を制したジャスティンパレスの成長力は凄まじいもの。勢いでイクイノックスを倒してしまうことも一応想定したい。上記2頭が何らかの原因で本領を発揮できない場合、勝つ可能性が高いのはダノンザキッド。時計の速い良馬場であれば2200mも問題ないはず。ディープボンドとブレークアップは後述する好走要件が嵌った際に食い込めそう。スルーセブンシーズは状態の良さから評価。 ◎Dイクイノックス ○Hジャスティンパレス ▲Bダノンザキッド △Iディープボンド △Mブレークアップ ☆Eスルーセブンシーズ ◆以下本文◆  中距離カテゴリーにおいて現役最強と称しても、異論は出ないであろうイクイノックス。天皇賞秋で32秒7と理解不能な末脚を披露したかと思えば、いわゆる持続力性能が求められた有馬記念でも横綱相撲の競馬で他馬を完封。そして今年緒戦のドバイSCでは、予想だにしない逃げの手に出て後続を全く寄せ付けることがなかった。  と、様々な形の競馬に対応して1位を掻っ攫うイクイノックス。これほどまでに強いとなると、100%いや、90%の力さえ発揮できれば宝塚記念を制覇できるのではないだろうか。  さて、今回話題となっているのは、関東馬である同馬が早めに栗東に入厩して本番を迎えるいわゆる「栗東留学」(栗東滞在)で本番に挑む点。普段と違う臨戦過程が故にネガティブに捉えられがちだが、果たして「栗東留学」という事実を基に評価を下げるべきなのだろうか?結論を申し上げると「その必要性はない」だ。  ポイントは2点。普段と違う場所で調整することがダメな馬なら、ドバイSCで魅せた圧巻のパフォーマンスは説明がつかない。現地で数週間滞在した形ではないので、「栗東留学」とは異なる調整であることは承知の上。それでも長距離輸送を乗り越えて、見知らぬ土地のレースで圧勝するのだから、臨戦過程の違いは同馬にとってダメージにはならない。そう目論んでいる。  2つ目は木村哲也厩舎の「栗東留学」戦績。直近では勝ち星こそないが、22年洛陽Sダーリントンホール(2着)、22京都牝馬Sスカイグルーヴ(2着)等、極端に悪い成績ではない。プラス材料にならないことは確かだが、それと同時にマイナス材料にもならない。その認識で捉えてOKだと思う。  以上のように、予想するにあたってのマイナス材料が少ないイクイノックス。まともに走れば勝てるだろうという見込みで1番手評価とした。  さて、ここまでイクイノックスを褒めるだけ褒めてきたが、唯一”まともに走っても逆転されるかも”という要素がある。それはジャスティンパレスの「成長力」だ。  一概に成長力と言っても分かりづらいが、それを最も容易に理解することができる指標は馬体重だろう。有馬記念時は456sだったが、放牧を挟んだ阪神大賞典では472sまで増量。数字だけでなく見た目も迫力が増し、歩様の柔軟さや踏み込みの強さがパワーアップ。レース内容に関しても文句のつけようが無く、決定力(決め手)であったり、スタミナ性能はかなり高い部類だと思う。  今回は2200m戦なので、スムーズな競馬ができるのかが課題。レース序盤に急がない競馬が続いているので、位置取りを下げてしまう可能性がある。なのでイクイノックスと比較した際に、信頼性という意味で劣るので2番手評価とした。  3番手評価にしたダノンザキッドは言わずと知れた阪神巧者。【1-1-2-0】の戦績を残していて、大阪杯では見せ場たっぷりの3着に食い込んだ。雨が降って時計の掛かるスタミナ勝負となれば距離適性的に苦しいと思うが、幸いにも日曜日は晴予報で、阪神芝コースはそれなりに速い時計で出る状況(ギリギリの感じがするけど)。イクイノックスおよびジャスティンパレスが100%の力を発揮できない何らかの事象が発生した際に、勝てる可能性があるとするならばダノンザキッド。という認識でいる。  △印2頭は押さえ候補。ディープボンドは走りに前向きさが出れば、速い時計の決着にも対応できると思う。つまるところ馬の気分次第といったところか。  ブレークアップは前走および前々走のパドックで、目を引くほどの好馬体だった。あの状態をキープするのは至難の業だと思うが、それが叶えば圏内に食い込めると思う。  能力面ではもう1段階の成長が欲しいが、状態の良いスルーセブンシーズが☆印。



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