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明日もこれといって目ぼしいレースは無し。予定通りダービーだけを楽しんで、という週末になりそう。
【東京11R 東京優駿】

今年のダービーは言ってみれば2人の天才投手の投げ合いだ。完成度が高いコントレイルが藤浪晋太郎なら、伸びシロがあるサリオスが大谷翔平といったところだろう。藤浪が天才?。ええ、天才ですよ。ただちょっとノーコンで、ゴーコンが好きなだけで。

ホープフルSまでの3戦でパドックでコントレイルを見て「この馬は凄い馬だ!ダービー馬だ!」と言った人は自分を含め周囲に誰もいなかった。細身で歩く速度は速いけど、それだけ。評価としてはダノンキングリーくらいのものだったと思う。ところが皐月賞であのパフォーマンスだ。内で脚を溜めて完璧に乗ったサリオスを、外を回るロスがありながら坂で捻じ伏せるような勝ち方。ホープフルSと比べIDMが10pt上がったというのはそれだけ心肺能力が格段に上がったという証明だ。

「ディープ産駒の牡馬が細身に出るとスピードが出ない」「牡馬にはパワーが必要だ」というのが自分の経験で、GTを勝つような牡馬は大抵500s前後の脚の長い馬に限る。そこから外れたのがコントレイルである。でも思い返せばディープインパクトも当時この馬がなぜ凄いパフォーマンスを発揮できるのか?を説明できる人は少なかったと思う。牡馬としては線が細く非力なコントレイルがなぜこの馬だけ、これだけ圧倒的なスピードを生み出せるのか?。説明がつかないという意味でディープの後継種牡馬としての才能に溢れていると思う。天才はいつの時代も理解されないものだ。

ちなみに過去20年の皐月賞で追走8番手以下から差し、3着馬に対し0.4秒以上で勝った馬のダービーの成績を調べてみたら、以下の通りだった。馬名、皐月賞での3着馬との着差、ダービーでの着順と着差。

エアシャカール0.4秒差 2着ハナ差
ネオユニヴァース0.4秒差 1着0.1秒差
ディープインパクト0.6秒差 1着0.8秒差
ゴールドシップ0.5秒差 5着0.2秒差
ドゥラメンテ0.6秒差 1着0.3秒差
ディーマジェスティ0.4秒差 3着0.1秒差

ゴールドシップだけは全部の馬が内を避けて外を回るという皐月賞で、この馬だけが最内を回ってスルスルと進出していった競馬で勝ったので正直参考外だと思っていて、そうすると5戦3勝。エアシャカールがハナ差負けの2着。距離が微妙だったディーマジェスティだけが僅差の3着だった。

コントレイルが皐月賞でつけた0.7秒差はディープインパクト、ドゥラメンテらを凌いで過去最大の着差。中盤緩んだ皐月賞のペースでも折り合いは完璧だった。それに脚が速い馬なので直線で一回詰まっても開いたらすぐスピードに乗ってくるはずだ。正直不安らしいものが見当たらない。藤浪も甲子園は防御率1.07の完璧な成績だった。プロ行っても大丈夫。3年は通用する。

さて、もう一人の天才サリオスである。皐月賞のコラムでも書いたが530sを超える巨体でまだ馬体の完成度も低いのにマイルを2歳レコードで勝ってしまうスピードがあるって、なんだそりゃ?である。ハーツクライ産駒、しかもあれだけ背中が長い馬がマイラーであるはずもない。古い話になるがグラスワンダーは当時1400mだった京成杯と朝日杯を圧勝したが、この馬をマイラーとは言わんだろう。これと同じだと思う。人間でいうと400mでずば抜けたスピードのある選手が、世代限定の地方予選で200mを勝ったとしても誰も驚かない。ほとんどの馬は常識で測っていいが、常識から外れた馬を常識的に考えたら正体を間違う。

皐月賞はみんなバテてしまうレースになった中、サリオスは内で楽に折り合って上がり2位、3着以下に0.6秒差をつけたのだから、これフツーの年なら勝ってる。距離の不安は全く感じない。ただ不幸なことに完成度の高い天才が同じ世代にいた。大谷翔平はセンバツで藤浪晋太郎に負けてしまったが、この完成度の差は簡単には覆せないと思う。この馬にとって本当の勝負は来年だと思う。

ただ馬券的にこの2頭ではどうにもならない。ので3着探しだ。上記に挙げた皐月賞で3着以下が弱い年は大抵青葉賞組か京都新聞杯組かの別路線組というのが相場だ。あとは内枠でこっそり乗るというのがダービーでのセオリー。サトノインプレッサは勝負にならない外枠追い込みで不利を受けて追うのを止めてしまったが、距離が延びた方が競馬はしやすい。毎日杯は馬群を割って勝ったので枠としては絶好だと思う。

◎5番コントレイル
〇12番サリオス
△1番サトノインプレッサ
☆13番ディープボンド
☆16番マンオブスピリット
☆17番ヴァルコス




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