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春の魔境、福島なんで、まあ簡単じゃないだろうな、と思ってましたが案の定。Paddocシートは競馬の予想が簡単になるってことではなくて、分からなくて難しいレースを捨てられるということです。馬券はどこでどう勝負するのか?であると同時に、どこをどれだけ捨てるのか?が最大のテーマ。馬券が上手くなるということはそういうことです。まあ年間の番組的にも末期で一番競馬が難しい時期。あと1か月半の辛抱ですな。
【福島1R】

馬場が馬場なので芝から転向してきた速い馬を狙う。サンスポットもシャイニールミナスも出脚だけは速い馬。芝では底が見えていたがダートなら変わる余地はある。

▲サンスポット
▲シャイニールミナス

【中山11R 皐月賞】

以前のコラムで「ダービーは夏の甲子園みたいなものだ」と書いたが、それなら皐月賞は春の選抜だ。

甲子園、いやクラシックで求められるのは「器の大きさ」ではない。3冠を勝ってしまうような馬は別として、この時期のスピード、完成度、心肺能力、順調度、枠や展開がその馬に嵌まることで最高点を出せた馬が甲子園の頂点に立つだけだ。プロ入りは秋。あくまで世代限定の通過点の舞台がクラシックである。

今年の選抜は実に面白メンバーが揃ったと思う。重賞を勝った馬が9頭出走してタレントも豊富。調べていないがここまで揃った年って記憶が無い。得てして競走馬というのはいろいろと上手く行かないものだが、今年はそれだけ順調にこぎつけた馬が多いということだろう。外見上は。

コントレイルは新馬初戦から1.7倍の1番人気。スピードが違い過ぎで楽勝した。他とは圧倒的に完成度が違うので東スポ杯もレコードの圧勝。早熟で中学から抜けた存在で「お前らとは目指してるところが違うから」とか言いそうなディープ産駒だ。順調なら皐月賞はほぼ確実だったと思う。そう、順調ならね。

コントレイルに大きなソエが出ていたのがホープフルS。脚元コメント「両前ソエ大」の文字が。そして先日某誌の写真でもわかるような両前のエクイロクス。今年の甲子園の目玉と騒がれるエリート君に秋季大会直後に右肩痛が発生した、みたいな状況だ。どれだけ才能があってもトレーニングを積んで心肺機能が上がらなければ強くなれない。いつからこの脚元の状況になり、どれだけ休んだのか?はわからない。ただ一連の過程を考えると強い調教をたくさん積めたとは思えない。まして大雨で馬場がかなり悪くなった土曜日。明日は馬場が回復するだろうがスピードだけで押し切れるような状況とは思えない。この馬にとっては試練の舞台になりそうだ。

サリオスは530sを超える巨体。新馬戦を見てもまあ仕上がっていなかったので2番人気。ところがスローの上がり勝負で逃げた1番人気馬をアッサリ捕まえて楽勝してしまった。「ちょっと待て。あれだけデカいハーツクライ産駒が仕上がってないのになんでそんなスピードがあるんだ?」という勝ち方だった。ハーツクライ産駒で540sある馬がマイラーなんてあり得ない。スピードがあり過ぎるのでマイルでも楽勝してるだけだと思う。

おそらく佐々木朗希みたいな馬ではないか。地区予選くらいだと「本気出さなくても勝っちゃいました」的な勝利だ。無理をすると故障するリスクがあるので2歳の時点で仕上げられないが、仕上がれば「おそらく160q投げちゃうでしょ」みたいな素質だ。ただし故障と引き換えかもしれないけどね。前走の朝日杯で右後肢に保護テープを貼っていた。腰も甘い馬ままなので大き過ぎて仕上がらないのだが、それでも朝日杯を楽勝した。

ただ今回は明らかに条件がヤバい。中距離馬にしたって距離の経験は無し。あれだけデカい馬が休み明けでポンと仕上がるとは思えない。おまけに土曜日の土砂降りで馬場は相当重くなっている。さらに悪いことにレーンは絶不調。スピードの違いで行きたがる同馬をどこまで抑え脚を溜めることができるのか?。相手関係はここまでとは比べ物にならない。大物であることは認める。が、乗り越えなきゃならないハードルが高過ぎる。大谷翔平だって勝てなかったのが甲子園だ。仕上げられない馬がスタミナが問われるこの状況で簡単に勝てるとは思えない。

サトノフラッグは新馬戦はデムルメの2人を他に取られて3番人気で6着。初戦から左前に大きな骨瘤があって仕上げきれなかったのだと思う。「オレは甲子園優勝投手になる!」なんてのを周囲が鼻で笑っていたら、次走、本気出したらレコード勝ち。おいおい、笑えねーだろうが、で2連勝。重馬場だった前走も持ったまま外を進出していって、坂上も持ったままの楽勝。鼻で笑ってた連中はどこかへ消えてしまう勢いだ。おそらく骨瘤も固まってきてるので前走の消耗戦を経験し、強い調教も積んで心肺機能は今が最も高い状態のはず。前走よりも確実にパフォーマンスを上げることと思う。

馬場が悪い以上、相手もスタミナがある消耗戦に強そうな馬を選びたい。

筆頭はクリスタルブラック。素質馬スカイブルーヴが楽勝するかに見えた京成杯。他馬が脚が上がる中、外を回って最後に差し切ったのはスタミナ証明するものだ。細身で見栄えがする馬ではないが消耗戦なら強い。ヴェルトライゼンデも腰が甘く非力な馬だがスタミナが武器の馬。スローの上がり勝負だった前走は参考外でいい。マイラプソディもスピードはないがスタミナはある。巻き返すチャンスはある。ブラックホールはスタミナしかないゴールドシップ産駒。

◎5番サトノフラッグ
〇11番クリスタルブラック
注17番ヴェルトライゼンデ
注12番マイラプソディ
△9番ブラックホール





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