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★本日のメイン

中山11R
スプリンターズS
◎15.ムーンクエイク
○14.ラッキーバブルズ
▲7.キャンベルジュニア
△8.ファインニードル
△16.レッドファルクス

台風接近の警報が出ていますが、暴風雨でめちゃくちゃ、という状況にはならなさそうですね。雨は強すぎることもなく、むしろ風が気になる水準かと。不良というよりは重馬場ぐらいで留まりそう。
ただ、午前中からずっと雨続きで、芝のレースを数戦こなせば、内はすぐ悪化するでしょう。
しかし外を回れば伸びるのかと言われればそうともならず、全面的に馬場が悪くて、結局はスタミナを相当要する馬場になるのではないかと考えています。

スプリンターズSのような短距離界の頂点のレースなのに、1分9秒台以上の遅い決着になるのは、良馬場ではまずありえないこと。ボロボロに馬場が荒れたとしても、普通はその水準まで落ちません。
2000年のスプリンターズSではダイタクヤマトが単勝2万5700円の最低人気で勝ちましたが、あれも他の年と比べて妙に遅い1分8秒6。真っ当なスピードが問われていたわけではない、変な芝だったからこそ紛れが起きたんです。
これ以上に遅い時計の決着だったのは、カルストンライトオが圧勝した2004年(1分9秒9)、アストンマーチャンが逃げて押し切った2007年(1分9秒4)、スノードラゴンが新潟で勝った2014年(1分8秒8)ぐらい。
どれもすべて、当日雨が降っていた中でのレースで、「スピードの頂点」が問われる内容からかけ離れた決着でした。
スノードラゴンは現役こそまだ続行していますが、あのレース以降重賞勝ちはついぞ届かず、連対したのもダート重賞のみですね。
カルストンライトオとアストンマーチャンも、当時示したパフォーマンスをそれ以降は全く取り戻せず、輝きを失ったまま次の年に競走生活を終えました。
高松宮記念の不良馬場を制したコパノリチャードもそうですが、あのタフな馬場で激走したダメージが大きいというだけでなく、あまりにも特殊なレースをしたために、その再現性が望めない…というのが、重・不良馬場のスプリント戦の悩ましい所です。

例年の1分7秒台決着のレースならば、昨年から同年のスピード実績を示した馬を評価すべきなので、体型的にもスピードに富む形の方が有利。
しかし、今回のようなレベルで時計が掛かる馬場になると、姿勢が低く横に伸びた胴長で、骨量と筋肉がある腹ボテタイプの方が有利なはずです。
カルストンライトオもスノードラゴンも、しっかり張りのあるお腹を中心に横幅が分厚く、若干太めの骨組み。これでバランスが取れていて、短距離重賞を勝つほどに基礎スピードがあった馬。
例えばサマースプリントシリーズの高速決着を勝ってきたタイプは、基本的に細身ですよね。
ラブカンプーを筆頭に、概ね脾腹が寂しいぐらいにスカッとしていて腰高が顕著、腹ボテとは縁遠い形ばかり。
ここ最近はパワーすらも不要という時代がスプリント界に到来していて、アレスバローズのように細身のトモ甘・斜尻の馬でも重賞を獲れる状況。
しかし、今回は台風接近により、舞台設定が完全にあさっての方向を向いています。むしろ、夏競馬に適性を見出していた馬は、疲労残りだけでなく適性面でもダメ、ぐらいの扱いをすべきでしょう。

また、お互いに対戦経験が2度以上あるというのに、「レッドファルクスの3連覇なるか」VS「ファインニードルの年間G1連覇あるか」&「レッツゴードンキの念願のG1制覇あるか」が同時に問われるような状況って、結構おかしいですよね。これにセイウンコウセイも混ぜて考えると、本当に同じメンバー同士で何度も対戦しすぎ。
3歳馬がラブカンプーだけ、4歳馬不在、5歳以上の馬は以前にG1出走経験が何度もある馬…という組み合わせだからこそ、こういう変な具合になっています。
サマーシリーズの重賞を一つ二つ勝つのがやっと、程度の格の馬が通用しないと思うのなら、またそのG1連対馬の組み合わせの中からチョイスする手もあるのでしょう。
ただしそれは、レッドファルクスやレッツゴードンキが、過去にレースを行ってきた馬場状態と同様の舞台であれば、が前提。
過去に経験したことのない水準で悪い馬場になっているはずですし、自分の得意を生かせないレースになれば、序列も崩れます。
馬場適性の観点からも、もっと大枠から見たメンバーの飽和状態という観点からも、レッドファルクスやファインニードルとは完全に別の路線からやってきた馬を評価したい所。

多少骨量があり、トモに厚みがあって腰つきも硬いタイプというのなら、一番期待しているのがムーンクエイク。
前回のキーンランドCではほとんど仕上がっていたはず。しかしパフォーマンスは、58kgを気遣ったのかただ回ってきただけ。
これが1分7秒台決着の高速馬場なら辛いところでしたが、今回は重馬場も影響して明らかな消耗戦馬場。全く疲労を残さずにG1に出走してきた、という万全の態勢を評価したいです。
また、同じレースで見せ場をたっぷり見せたキャンベルジュニアも、530〜540kg台のかなりのパワータイプ。
外枠不利の状況で外をかなり回る形でしたが、スプリント向きの適性は示しました。これも雨で渋った馬場になれば、中山得意が生きるでしょう。
また、ラッキーバブルズはスプリントG1を制している堂々たるG1格持ち。最近の成績は不振であるかのように見えますが、斤量をあまりにも背負うために負け過ぎる形。これは度外視は可能。
香港の馬は500kg超えでなくてもまず骨量と筋肉量が豊富ですし、馬体の分厚さが日本馬より段違い。逆に、スピード競馬になると日本馬の軽さについて行けません。なので今の状況は大歓迎。
レッドファルクスが3連覇してしまうかも…というメンバーですから、日本国内のスプリント路線なんて香港と力量比較をすると、あまり大したことはないはず。若干衰えがあったとしても通用する、という考えは可能。








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