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★本日のメイン

札幌11R
エルムS
◎8.ハイランドピーク
○12.ブラゾンドゥリス
▲2.ドリームキラリ
△5.ノーブルサターン

札幌は土曜日開催の途中から結構雨が降ったそうですが、もう場内の様子からだいぶ暗くなっていましたし、思った以上に降りました。
札幌のダートは早くから真っ黒、既に重馬場。そして札幌の芝はなかなか重馬場にならないと自慢の水はけの良さだったはずですが、あの当日の雨で稍重に変わっています。かなり降ったみたいですね。
確か日曜日は晴れるはずですが、週中に想定していたよりも、結構スピードに寄った状況だと思われます。

重馬場以上のエルムSは、たいてい1分41秒台決着。良馬場とは1秒半から2秒は違います。
そもそも良馬場でも地形効果からして前有利が顕著なのがエルムSなのに、脚抜きが良くなり摩擦が減って、スピード任せで粘りが楽になる重馬場は、強烈な前残り傾向となりがち。4角3番手以内と押さえていないとまず勝てませんし連対圏も絶望的。
昨年の不良馬場も典型的でしたが、決してあれが例外だったわけではないです。2013&2014年ともに、行った行ったに近い決まり手でした。
年間1鞍しかないダート1700mの重賞で、脚抜きが良くなってしまうと、前が止まる装置が全くないということでしょう。
今年は水が浮く不良馬場にはならないとしても、昨年とほとんど似た形の隊列競馬になるのではないかと思います。
「本質的にスピード競馬は向いていないタイプ、いい記録を持っていないタイプの評価を下げる」とかいう次元の話ではありません。競馬の質が根本的に変わっているので、「後ろからレースを運ぶ馬」をどんどん消していくべき場面でしょう。

リッカルドが2年前にこのレースを勝った時は良馬場でしたし、勝ち時計1分43秒5は歴代で見比べても相当に遅い時計。
この馬はスタミナ寄りと言える方ですし、速い時計決着にはついて行けないはずです。
ミツバも同様に下げます。本質的にこの距離だと短いはずですが、最近はテンに全く行けないタイプになっています。
もちろんその位置取りの差を捲りで挽回する脚質なのですが、道中の追走スピードが速く、かつ向正面のストレート区間もかなり短い札幌ダート。これではまともに押し上げられないはず。

前走非常に厳しい追走ペースだったという評価になる、ハイランドピークとドリームキラリ。現時点では人気になっているようですが、しかしこの2頭は馬場タイプに合っているはず。ともに高く評価します。
昨年勝ち馬のロンドンタウンは、ココ最近追走ラップの速い競馬を経験できていません。昨年と枠が違うだけでなく鞍上も違いますし、レース運びが全く違いますから、とても信用はできません。
大穴で評価したいのはブラゾンドゥリス。展開予想ではテン争いに参加しているようで、しかもゴール想定でも上位に食い込んでいます。
この馬はそもそもが1700m得意。1400m部門で頭打ちになったのなら、すぐに路線転換して欲しかったのですが、ようやっとこの距離にやってきました。コーナーワークが非常に上手な馬。
陣営が前に行かせると表明しているのは安心できますね。今回はとにかく総合力が問われない特殊状況ですから、過去の総合値=指数が低くても、十分チャンスはあると思います。

小倉11R
博多S
◎5.メイズオブオナー
◎4.ヴァフラーム
△3.ケンホファヴァルト
△6.タイセイアプローズ

北海道と新潟で重賞が行われる日の裏開催小倉。
しかし例年少頭数になりがちな条件だとは言え、今年は8頭を割りました。あまりに寂しい番組です。
テンに競り合う様子も考えられませんし、どの馬も自分のリズムで競馬が出来て、かつ超スローと考えます。
それならば、夏べく斤量が物理的に軽い牝馬か、履歴がまだ若い馬に期待したい所。

メイズオブオナーは実績がある方ですが、それでも54kgは軽いと感じました。
マーメイドSで結構いい競馬をして、高い指数が出るのはヴァフラームですが、近3走で高い実力を安定して発揮しているのはこちらメイズオブオナーの方。
準オープンを何度繰り返しても勝ち負けできているという事実を重視します。
ヴァフラームは今回52kgなのを素直に評価します。
小倉コースで好走が多い履歴の馬ですし、この頭数ならプレッシャーも膨れるロスもありません。
陣営も富田騎手で良いと言っているようですが…。

新潟11R
関屋記念
◎4.エイシンティンクル
○12.プリモシーン
▲3.スターオブペルシャ
△14.ヤングマンパワー

大雨が降った札幌をよそに、新潟は相変わらず好天続き。まあ、先週の猛暑というほどではありませんけれども。
基本的に内が止まらず、なかなかに速い時計が出ます。内がいいので道中はみんなラチ沿いに固まるのですが、福島や中京とは違って全く内ラチ沿いの綻びを見せる様子がありません。
上位騎手は馬場傾向通り、内ラチ沿いに寄せて通って最後まで内ラチに拘りがち。なので、直線半ばでもかなり馬群が密集します。
外を回ればいいのでは?と思うものの、確かに指数が僅かに上というぐらいではちゃんと差し込めません。ハッキリと瞬発力が抜けている馬でないと、外を回して勝つほどには至りません。
基本的には総合的に時計を出せるタイプを評価するべきでしょう。

土曜日の芝の履歴を踏まえると、500万下条件で1分33秒フラットですから、古馬重賞クラスであれば1分31秒半ばにはなるでしょう。
中京記念が1分34秒台、この新潟関屋記念が1分32秒台前半というのが例年の決着時計なのですが、猛暑と長い乾燥の影響なのか?今年はどちらも例年より一段階速い時計となるようですね。
そしてこの水準になると、持ち時計最上位のヤングマンパワー:1分31秒8を上回る決着ということになりますし、当然中京記念よりも速いわけです。どの馬にとっても未体験ゾーンに突入することとなります。
大事なのは、相当高いレベルの時計勝負に対応できるぐらいの、肉体の新鮮味があることでしょう。生涯の記録を更新するわけですから。
痛い所がなく不振でもない、充実一途の状態を評価します。こういうのは適性ではないと思いますしね。

一番にはエイシンティンクル。
偉大な兄がいることで重賞格でも人気しそうですが、追い切りを抜群に良く見せました。
長らく条件戦をうろついたものの、自分のリズムで走れる理想的な条件・ゾーンを見つけて、自分のパフォーマンスを高く発揮できるようになってから追い切りを強化する。
陣営の強化体制が馬の成長・充実と一致している証拠とも言えます。本質的には、馬自身の弱かった体質が改善されたタイミングとも合うのでしょう。
長い距離での詰めの甘さは見せていましたが、ここまで2戦、距離を縮めての記録は本物。小豆島特別はアッサリ1分32秒0の時計に対応。そもそも以前からこの馬は、2000m戦で1分57秒9を記録しているスピードタイプでしたし、もっと速い馬場ならもっと出せると自信を持って言えるキャラです。
少々馬体の見映えがしにくく地味な体型ですけど、後肢の管が細くて手先の弾力があり、走りに重たさがありません。それでいて500kgを超す体型で、適度に長さもあります。
いくらか同型がいて揉まれる心配はもちろんあるものの、充実期は多少の不安を集中力で補えるものですし、あの追いきりならそんなに不安はないかと。

そしてプリモシーンも高い素質がある馬で、華奢なタイプを出しがちなディープインパクト産牝馬ながら、3歳初旬の時点で480kgを超えていたなかなかの体格持ちです。
桜花賞・オークスはかなり勿体ない競馬になりましたが、鞍上を替えてその反省は示すはず。この外枠を引いたのなら、出遅れ→ずっと後方ママという競馬をするはずがありません。もっと高い位置を取りに行くでしょう。
トモ幅がしっかりしていながら後肢の細いタイプなので、土曜日新潟でバンバン走っていたタイプと一緒。
速い時計を要求されて、道中馬群がバラける方が歓迎だとも言えます。
そしてスターオブペルシャは、しばらく準オープンでうだうだしていた時にマズルネットを使ってルメール騎手が学習させていましたが、それが終わって口向きが大幅に改善されてからの2連勝。
2走前の谷川岳特別は非常に良い勝ち方でした。杉原騎手で大丈夫かと思いましたが、1番枠から中団で待ち、スパートの速い流れを差したもの。今回のレースに大いに繋がりそうな内容です。馬込みも克服、頭の高くなる癖も改善されていました。
前走は緩い馬場でちょっと変な感じになりモロさを見せましたが、内田博幸騎手も2度目であれば気性難を克服してくれるものと信じます。
しばらく準オープンで手を抜いた競馬をしていただけに、馬体が痛んでいません。マイル1分32秒5を圧勝している馬ですし、履歴更新は十分可能だろうと考えています。
恵まれた体格で、500kgを優に超えていて、前脚が長いのもこの新潟外回りではいいですよね。

新潟2歳S勝ちのあるフロンティアとロードクエストの不安は、古馬と混じる今回のメンバーで比較すると、馬体がやけに小さい・馬力不足だということです。
この関屋記念は例年500kg前後の巨漢馬が毎年有利であると同時に、479kg以下ではとてつもなく不利。牡馬だとレッツゴーキリシマ(476kg)が展開有利で勝てたぐらいで、G1級ダノンシャークも含め、過去10年で40頭近くの馬が全滅しています。
逆に500kg台の大トビが明らかに有利という傾向ですし、端的にコンパスの長さが必要になるのでしょう。
フロンティア・ロードクエストは若い頃こそスタミナと反応の良さで勝てはしましたが、それは新潟外回りでベストのコース適性があっての走りではないということでしょう。
古馬になると同じ新潟外回りマイルでも、要求される資質が違うということ。この壁は結構デカいと思いますね。






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