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★本日のメイン

東京11R
ジャパンカップ
◎11.マカヒキ
◎12.サトノクラウン
○4.キタサンブラック
△9.レインボーライン
△1.シュヴァルグラン

キタサンブラックが昨年の天皇賞春でスターダムに事実上のし上がり、おおよそ1年半が過ぎました。
2016〜2017シーズンで、キタサンブラックはG1を5勝。常に展開が向いただけと揶揄されることもありましたが、結局のところ同格レベルの先行馬が登場しなかったというだけの話です。
周りが何の策もなくアッサリ先手を譲れば、追いかけようとする前にスイスイ行かれてしまう。
そのことを踏まえ、何とかハナだけは叩こうと息まいたヤマカツライデンやマルターズアポジーでしたが、何の意も介さず4コーナーでアッサリ交わされてしまい、キタサンブラックのリズムすら乱せない。
そうして手をこまねいて天皇賞春を連覇されたのちの宝塚記念でやっと、シュヴァルグランが玉砕覚悟の逃げを打ちシャケトラとの競合をして、ようやっとキタサンブラックの勝ちパターンを崩すに至りました。
しかし、横綱競馬をしてキタサンブラックに打ち勝ったわけではありません。1頭でキタサンブラックに対抗し、自滅を導くような強力馬・同格馬はついぞ現れないままでした。

ところが今回のジャパンカップは、そのキタサンブラックの楽な先行ムードが消え去り、暗雲が漂い始めてきたのではないか…とは感じます。
東京開催の頭から雨に祟られ馬場が悪化し、末期馬場になりそうという情報が出たことがプラスになり、急きょのローテーションではありますが外国馬が4頭も登場。筆頭は逃げてG1連勝中のギニョールですね。
能力や適性はともかくとして、海外の強力馬を抱える陣営が、キタサンブラックを的にかけて負かしに行く馬を参戦させられる状況だと思わせたことがまず大事。
そして、今年の3歳クラシックを制したオークス馬&ダービー馬は、追い込みの型に嵌めたタイプではなく、好ポジションから先行して押し切る脚質の2頭。
どちらも、キタサンブラック完全マークを敷いて、横綱競馬で押し通す意欲満々。ラップ内容がどうであれ、神戸新聞杯でアッサリ好位先行できて折り合いの苦労がなかったことが前向きに作用しているようです。
また、宝塚記念でキタサンブラックの邪魔をした、シュヴァルグランとシャケトラも同時に参戦していますね。
宝塚記念でキタサンブラックを苦しめた2頭の先行馬がいて、別の路線から能力の是非はともかく人気を集める先行馬が供給されたこと。しかもそれらに騎乗するのが、モチベーションMAXの外国人騎手ばかりです。
今回のジャパンカップメンバーは、かなり大きなターニングポイントとなりそうなレースですよね。

そもそもキタサンブラックは、同世代5歳の有力馬がことごとく差し馬ばかり。新規4歳世代も差し&捲りタイプばかりでしたし、虚弱体質が多いのか引退も早く休みがちな馬が多かったため、相手関係が奇妙だったからこそアドバンテージがメチャメチャ大きかった馬です。
繰り返しますが、今回のジャパンカップは、前を塞ぐかベッタリマークするほどやる気のある先行馬が登場したことで、キタサンブラックにのみ有利だった競馬の構図が、急に崩れることとなる可能性がある場面です。
過去にキタサンブラックが芝2400mでは体験していなかったゾーン→2400m走破2分23〜4秒台の高速決着に巻き込まれる可能性が大。
(土曜日の競馬を見たら、どう見積もっても東京芝はかなり速くなっていますね。外国馬陣営はご愁傷様です…)

そしてキタサンブラック自身が強力すぎるゆえに、宝塚記念の通りキタサンブラックを打ち負かしたとしても、自分が残せるリズムでもないために共倒れが濃厚。
キタサンブラックがいる以上、自身に機動力があってもこれを打ち負かさないと道はない。しかし、むしろスピードがあると思わせる横綱競馬をしてくれと期待される馬だからこそ、「その戦いに参加しなかった」「自分の型に嵌めて競馬するタイプ」に食われる可能性大です。
その筆頭候補と思われるのが、6枠に入った2頭。マカヒキとサトノクラウンです。
サトノクラウンは、天皇賞秋で途中から動いて窮屈な場所を捌き切る仕掛けをしましたが、やっぱりああいう形は自分の形ではないはず。ムーア騎手ではなくデムーロ騎手の連戦ということになったため、おそらく「前走の作戦の反省、修正」はあるはずです。
そしてハイランドリールを差し切り、事実宝塚記念でキタサンブラックに打ち勝った実績もあるだけに、今回いちいちキタサンブラックを早めから追いかける競馬をしなくてもいい立場だという強みがあります。
他の馬他の騎手にやらせて、自分は2400mなりにスピードに乗れるリズムで差しに行く、しかもそのわがままを通してもいい立場。これが大きいですね。
マカヒキは、ちょっと現時点で示した性能では、5歳トップクラスに劣っているように見えますし、本当の絶好調とも言えません。
そもそもスタートも悪く、いいリズムに乗るまで遅いのは明らかで仕掛けにもこだわります。しかしその弱点難点が見えているからこそ、今回の大乱戦に参加しなくても許される部分があるはず。その上で、過去履歴的にベストと言える東京2400mです。
今の東京芝は時計は確かに速いのですが、明らかに馬場が荒れていて坂上でももう一つスタミナが必要な脚抜きの悪い芝。
新規参入馬が増えて前でやり合う形が見込めるだけに、「道中無関心で自分だけの競馬をするタイプ」に出番があるはずです。

レイデオロは当然の消しで。
クラシックディスタンスの3歳馬はどうなの?とまだ疑問を持っていることもあるのですが、神戸新聞杯で早めに追走した競馬が見事だったことと、今回キタサンブラックよりも内枠を引いたこと、その上でしごく順調に来れている調整過程もあり、キタサンブラックに対する完全マークを「やらないとおかしい」ムードにされています。
これは紆余曲折ある芝2400mだと明らかに損。サトノダイヤモンドの天皇賞春のような負け方、あるいはそれ以下の着順になるのでは。
サトノダイヤモンドやメジャーエンブレムもそうなのですが、ルメール騎手は操舵性が良く機動力の高い馬に優先的に乗りがちで、レースでも横綱競馬役を引き受けがちな部分があり、馬にもそういう学習をさせる傾向がありますよね。
こういう部分も、ルメール騎手がG1勝ちの運の巡りが悪くなる、ポイントの一つなのではないかと思います。

京都12R
京阪杯
◎16.ジューヌエコール
◎10.セイウンコウセイ
▲8.ナリタスターワン

季節の変わり目で急に寒くなる時期、芝が大荒れして枯れ始めるシーズンとかち合うためか、秋のG1〜G2好走馬がかなりコケやすく、逆にそこでの大敗馬が巻き返しやすいレース。
ちゃんと仕上げたのに何でか走ってくれない…という余力十分な馬を狙うレースだと考えています。
狙いたいのはジューヌエコールとセイウンコウセイ。
ジューヌエコールは蹄の不安が祟ってサマースプリントシリーズ優勝もフイにし、G1スプリンターズSにも出られず、予定が延び延びになってしまいましたね。
もちろん立ち直るのもちょっと時間が必要だったはず。今回あたりがちょうど良いのではないかと。
セイウンコウセイは、確かに見た目にはちょっと痩せてしまった印象もありましたが、函館スプリントSの異常なハイラップを前で追いかけすぎて、時計認識がおかしくなってしまったんでしょう。
まあ本当の理由は良く分かりませんが、体はスカッと仕上がっているのに、溜め差しのピントが外れたレースぶりが続きました。スローペースも噛み合いません。

内ラチ沿いが荒れている中で半分よりも外の枠を引けた運と、フィドゥーシア、ネロ、ソルヴェイグ、タマモブリリアンら結構淡泊な先行タイプが揃ったため、比較的速い流れが想定できること。
これらも2頭にはプラスとなるはずです。
オパールSやスワンSはスローでしたし、道頓堀Sもスローの速力戦。ハイペースなら京都得意なのに相当人気がないナリタスターワンに期待です。






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