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★本日のメイン

京都10R
安土城S
◎15.ミッキーラブソング
○14.ショウナンアチーヴ
▲7.ラインスピリット
△4.シンデレラボーイ
△6.アルバタックス
△10.ゼウス

昨年、この安土城Sではウリウリが京都1400mレコードを記録、1分19秒フラットという決着タイムでした。
それまでも1分20秒台の決着ばかりだったレースで、準オープンレベルとは一線を画すスピード決着が続いています。京都の6週目だというにも拘らず、です。
開催が進む過程で、キチンと馬場を保全してる裏返しではあるものの、この時期の京都は使えば使う程時計のレベルがグングン上がってしまう、という背景はあるんでしょう。

そしてその時計の速い決着に対応できる馬が、安土城Sに登場する馬の中では、どのみち上位人気馬か、若い馬にしかない。というのが過去の傾向。
5年前のタマモナイスプレイが勝てた時のように、かなり時計が掛かれば6歳以上馬でもいいんですが、やはりスピード勝負・時計更新する力の勝負では、高齢馬では付いて行けません。

ミッキーラブソングが有利なのは、まだオープンでは売り切れておらず、そのスピード勝負でまだ最後のひと押しが可能というところでしょう。1分20秒0の持ち時計もあります。
ちょっと期待したいのは、今回ブリンカーの効果に賭けたいショウナンアチーヴ。叩き3戦目で上積みありますし、もとは重賞を勝った馬なのにハンデが軽め。
ラインスピリットも、かなり速い馬場での好走歴の方が多い5歳馬。行く馬がいなければ行ききってもいい枠ですね。
シンデレラボーイ、アルバタックスら6歳以上馬は△までとしました。
ティーハーフは力がある馬なんですが、ハンデ戦トップハンデの馬がこの大外枠は、さすがに厳しいと感じました。

東京10R
東京優駿
◎8.サトノダイヤモンド
○12.リオンディーズ
▲14.ヴァンキッシュラン
△10.スマートオーディン
△9.マウントロブソン

皐月賞が度を越したハイペースとなり、追い込み馬同士の決着だった年は、上がり最速馬の取り扱いに注意が必要。
ダービーはそもそも適性からして上がり最速馬有利のレースというのが基本認識ですが、ダービーのレース直前の推定上がり最速馬は、レベルの高い皐月賞での結果を受けた数字であることがほとんど。
皐月賞がオーバーペースだった2009年、ズブズブの馬場だった2012年などが典型ですね。
2009年はアンライバルドとトライアンフマーチが、そのままダービー直前の推定上がり1位・2位候補になりましたし、2012年も同様にレース前に上がり1位・2位候補だったのはゴールドシップとワールドエース。
明らかに別の要因も絡まって「引き出されたドハマり」での追い込みだった皐月賞のワンツーが、ダービー前日時点での推定上がり1位・2位候補になった年はかなり危険なんです。
原因はもちろんいろいろあります。皐月賞とダービーとで馬場が全く異なっていた、あるいはダービーでは皐月賞ほどのオーバーペースになりはしなかった。皐月賞で見せた末脚をダービーで期待したら、馬の反応が皐月賞ほどではなかった、などなど。

まあ正直、皐月賞がああいった結果になり、今年はそういう年になるんじゃないかな、とはぼんやり思っていました。
その指数の特性的に、ダービーでは非常に高い精度を誇る推定上がり最速馬も、こうした構図の時は何だか上手く行きません。根拠は上に示した通り。
今年の推定上がり最速馬・2位の馬は…そうですね、やっぱりディーマジェスティとマカヒキです。ちょっとばかりマカヒキの方が逆転して1位のようですが。
こういうパターンで出た推定上がり最速馬は評価を下げます。人気を集め、マークもお互い集中しますし、現実距離が延びて流れが緩むのに、「前走と同じ脚」を使いにくい条件下にあるのならば。
今年は皐月賞で敗れた馬も本当にレベルが高く、別路線からやってきた馬も標準以上。皐月賞で展開が完璧に合ったのに0.5秒ぐらいしか付けられないようでは、力が抜けてるとは言えません。僅差とも言えないどころか、逆に優位にいるのか怪しいぐらいです。

そしてダービーに向けてのローテーション・上積みが効く余力がある分の話をするなら、前走は条件不利・今回は陣営も全力投球ですべてが上向くサトノダイヤモンドが筆頭でしょう。
きさらぎ賞からの直行は、「本当にそんなので大丈夫なの?」と誰しもが思ったはず。実際パドックも、ところどころ…ではない水準で甘さがありました。
弥生賞→皐月賞と結構完璧に仕上げてたマカヒキや、弥生賞からグッと上向いたリオンディーズとは、結構差があったように思います。
それを考えれば、この中間の3週連続BW好タイムなど、池江泰寿厩舎にしては本当に珍しく「根詰めた仕上げ」をしている様子。レースに臨む本気度は雲泥の差でしょう。
結果的に不利もいろいろこうむり、レースは敗れてしまいましたが、相手が楽過ぎたきさらぎ賞とは違い、厳しい競り合いもあり鞭も入れ、あの1戦で教え込めたことが相当ありました。
皐月賞で結構根詰めて勝負していて、伸びしろ一杯一杯になりそうな馬と比べれば、皐月賞を踏み台として設定出来た強みは非常に大きいと思います。

リオンディーズは距離が延びて良いとは敢えて言いません。気性にも根本的に難がありますし、スピードが勝ったレースぶりになってしまってるのも確かです。
しかし母はオークス馬で、兄エピファネイアは掛かって不利もありながらダービー2着、のちの菊花賞勝ち。もう、そういう難しい部分を表に出す血筋だと思った方がいいです。そういう部分を見せながら距離をこなすタフネスがあるので問題ないのでは。
というのも、やっぱりパドックで見る角居厩舎仕上げの形は、2400mで問題があるようには全然思えないからです。腰角や筋肉のバランス、適度な手先の軽さなど、やっぱり鍛え方が違います。
どこか別の「○○厩舎のリオンディーズ」だったらアッサリ壁に当たっていたでしょうけども、角居厩舎のリオンディーズはおそらく大丈夫。そういう方向に持っていける厩舎のスキルがあるはずです。
同じ厩舎のヴァンキッシュランも、3走前500万下(降着)と青葉賞では、本当に雲泥の差。青葉賞で結果が必須だったので、ある程度仕上げを固めておく必要がありましたが、やはりその「形がいい」んですよ。
単純な筋力の強さやスケール感だけでなく、これは2400mでも全然止まらないなと思わせる柔軟性の違いがあります。そういうものが発露する時点で馬にも才能があるんでしょうけど、こういう馬を間に合わせる厩舎力もあるんじゃないかと感じさせますね。

スマートオーディンは、実感としては共同通信杯の馬体のままなら全然通用しません。
しかし、毎日杯→京都新聞杯と折り合い重点の楽な競馬で立て直し、一線級がいなかったとはいえ重賞3勝。共同通信杯を悪い形で躓いたことで、陣営がローテーション方針や仕上げ方針を覆し、厳しい路線を避けて成長し直せたという強みがあります。
おそらく共同通信杯とは全然違うと思わせる別馬になっていると思いますが、その変わりっぷりが想像以上なら評価が届いてもいいと思います。
マウントロブソンは、右回りに替わって3連勝しましたが、皐月賞パドックでは片側の後肢だけ流れるバランスの悪い歩様でした。周りで成績が違うのはこれが影響していたのでは、と。
しかしこうした特性は、よく考えれば十分な期間を設ければ簡単ではないですけれども矯正可能なので、ベリー騎手2度目+堀厩舎なら持たせられるかも。馬体写真が本当に良かったんですよね。こちらが驚くほど、東京競馬場のパドックでスムーズならば。

決してディーマジェスティやマカヒキは、後ろから行くに拘るわけではないと思いますが、皐月賞のあの末脚は序盤にモタモタした追走だったから出せた脚。
今年の先行勢は本気でレベルが高く、2400mを走らせてバテる不安が皆無で、昨年並みの2分23秒台が見えるぐらい高いスピード持久力があります。
ディープブリランテが勝った年のような展開になるのではと見込んでいるので、バテ待ちの差しで好成績を挙げた馬は、やはり信用したくないですね。
ディーマジェスティはそういう履歴を重ねた3連勝だったように思います。

東京12R
目黒記念
◎15.クリプトグラム
○5.モンドインテロ
▲13.スーパームーン
注3.レコンダイト
△6.マリアライト

マリアライトとタッチングスピーチが人気になっていますが、東京2500mハンデ戦の目黒記念は、やっぱり体格が欲しいですね。
例年、アッサリしたレース展開にはなかなかなりません。必ず4コーナー出口と直線半ばで渋滞が発生し、混戦の中で体をぶつけあうシーンが生まれます。
おまけにここ数年は、異様なほど馬場が速くなりすぎてる嫌いもあり、総合的にスピードも必要。
小柄で薄手の牝馬で、重馬場の鬼であるマリアライトとタッチングスピーチは、牡馬相手にタフなスタミナ戦を仕掛ける分にはやぶさかでもないんですが、ダービー仕様の馬場でトップスピード持続力勝負を挑むとなると…?と思うんです。
現実、マリアライトはオールカマーのような競馬だとイマイチでした。おそらく、ショウナンパンドラに付いて行ってJCに出たとしても、大したことなかったはず。
この条件はスピード決着も見据えて、バネがいい脚長タイプを選ぶべきではないか、と思っているんです。

クリプトグラムはその要件を揃えていないか、と感じています。
大阪−ハンブルグCは、ここ数年目黒記念のいいステップレースになっていますが、これは同レースが2400mに距離が延び、なかなかのロングスパート勝負をしているため。目黒記念に直結しそうなレースを繰り広げていることが結構あるんです。特に、前と後ろで集団が分断された展開になった年は注目。
1000万下を勝ってから、2段格上挑戦を陣営に決断させたぐらいですし、A級馬が揃っている藤原英昭厩舎の中でもかなり期待される資質があるのではないかと。
モンドインテロも、よく考えればこの条件は良さそう。鞍上がまずまずのポジションで先行させそうなのもいいです。体格のあるディープ産駒、軽くでも前走勝ってから望む重賞。外人騎手で内枠。
そしてコース適性は確実にあるはずのスーパームーン。とにかく仕上がりだけですね。
レコンダイトは、昨年好走時とほぼ条件は一緒。とにかく内枠を引いたことが大きいです。ここ最近絶好調の武豊騎手の腕も加味して。

タッチングスピーチは、ここよりも宝塚記念で期待したい部分が多いのですが…。やはり何より、秋華賞や大阪杯で見るように、スピード勝負が苦手でしょう。







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