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中山9R
ホープフルS
◎13.ブラックスピネル
○2.プランスシャルマン
▲1.アドマイヤエイカン
△6.ハートレー
△8.バティスティーニ

ホープフルSとで関西のA級・S級馬が使い分けされてメンバーが割れた分、朝日杯FSは出走するためのボーダーが下がって、経験・賞金不足の1戦1勝馬でも気兼ねせず出走できるようになりましたね。
その結果、朝日杯は過去にない履歴で出走した馬が勝ち切る結果に。
しかし朝日杯と同様、こちらホープフルSも1戦1勝馬が勝ってしまう?と聞かれれば、さすがにそこは変わってくると思います。阪神外回りマイルとは違って、皐月賞であれだけ何度も紛れを起こしている中山2000mですからね。
昨年は1戦1勝馬のシャイニングレイが勝ち切りましたが、あのメンバーでその後一番出世したと言えるのは、青葉賞2着+菊花賞4着のタンタアレグリア(当日4番人気:三浦皇成騎手)でした。
そう、朝日杯とは違って、出遅れ癖がある・スタートが鈍い上に一息で走る大味な競馬しか経験していない馬では、馬体に甘さが残る現状、中山2000mをその性能で乗り越えるのはほぼ不可能。
シャイニングレイのように、性能だけでなく気の良さと折り合い、競馬上手でなければいけません。

そう考えると、ロードクエストのように出遅れ確実+行き脚平凡、かつ瞬発力特化タイプというのは、このホープフルSの舞台ではとても信用置けません。
個人的にはハートレーの才能をかなり買ってるんですが、これも出遅れて追走慎重、直線向いてから弾けるという競馬ぶりに怪しさを感じます。かつ、外人騎手同士とはいえ乗り替わり。
同じくディーマジェスティ、バティスティーニも出遅れが改善されない→競馬の組み立てに大きな課題がある馬は、いくら才能が高かろうが、大外振られ沈没の可能性を大いに抱えるわけです。
出遅れから後方大外一閃というタイプが、凄い能力で1頭出てくるならまだしも、この中山2000mで3頭も4頭も同時に成立するわけがないんです。
馬体に物足りなさがあっても、コメートのように前に出して行っても折り合いに苦労せず、操舵が素直なタイプこそが買いです。内枠があればなおいいですね。

その意味で、デビューから外人騎手に手綱を譲らず、二人三脚で一歩一歩階段を上ってきたコンビというのは、経験不足をこの出走時点で大いに解消している可能性が高いです。
ブラックスピネルは残念な大外枠ですが、印が回っている有力馬がみな出遅れキャラなので、相対的に先行できる強みがまず大きいです。しかも、前で展開させても決め手に衰えナシなのも有利。
コンビとしての練度が高いこと+立回り有利なことが、このホープフルSではプラスに働くとみます。中山未経験の松若騎手と聞くと怖い部分が大きいですが、このレースに限って言えば差し引きプラスに転じると考えます。
能力で評価せず競馬ぶり評価、単純な経験値があることを評価するので、プランスシャルマンを上位に置きます。馬体的に言えばそろそろ上積みもないか?と思わせるぐらいに進んでいる馬で、中山2000mでの立回りを馬が知っていることが重要。
アドマイヤエイカンも、前回の動き出しの内容を見て、内枠ならばと評価しました。岩田騎手が連続騎乗しているのもいいでしょう。

中山10R
有馬記念
◎11.キタサンブラック
○3.ラストインパクト
▲4.ラブリーデイ
▲6.アルバート
△7.ゴールドアクター
△16.マリアライト

IDM71〜73の間に10頭以上もの馬が割って入る大混戦ですね。そこからIDM75以上を記録したのが、グランプリG1で結果を出したラブリーデイやゴールドシップというだけで、その再現はいろいろな要件があり決して確実ではありません。
こうなるともう、能力の上限や戦法がバレてしまっているだけ大損ということ。
ゴールドシップはもう有馬記念に3度も出走していて、一番格上の馬であるがゆえに「ゴールドシップがコケるならこういうパターン」という分析が十分に知れ渡っていますよね。
2桁大敗を2度続けたステイゴールド産駒で期待値も相当低いのに、他の出走15頭が捲りに対応するように動かれてしまったら、ホントこれどうにもなりません。
実はこれ、同じことがリアファルやラブリーデイにも言えるわけです。
リアファルは現状まだG2勝ち1つだけで、本当はそこまで高く評価される謂れはないはずなのに、2番人気を争うぐらいに前日に人気を集めてしまうと、他の陣営が分析・対策し始めてしまいます。
神戸新聞杯の時のように楽々逃がしてしまうと相当危ういので、この馬の○馬身以内射程圏でマークしておこうとなるわけで、「高く評価されるからこそ」競馬する時のムードが全然変わります。
ラブリーデイも今年1年の充実ぶりは素晴らしいものですし、ピッチ走法タイプでここまで来れたことはもちろん評価すべきですが、他の陣営に宝塚記念やJCのVTRを何度も見直されて、どういう対処をすれば捕まえられるか検証されてしまう。
こういった能力拮抗の大混戦の時は、「事前にかなり評価が高まってしまうこと」こそが損になるわけです。

ならば過去の人気馬は、そういう不利をどのように覆してきたのか?ということですよ。
オルフェーヴルもドリームジャーニーも、どの馬もお疲れ寸前のこの有馬記念で「世間の思惑を超えた」能力を示せたから勝てたのだと思います。
有馬記念のレース質に合っていた…確かにそれもそうなんですが、「宝塚記念の映像のオルフェーヴル・ドリームジャーニーより強かった」から出し抜けが成功した部分はあるんです。
展開のカギになると言われているほどに注目が集まっているリアファル(逃げ)・ラブリーデイ(好位)・ゴールドシップ(捲り)の3頭は、それこそ今回は過去の例に倣った好走確率、あるいは限界値まで相当深く分析されているはず。
それが、リアファルが中団に控えてゴールドシップの後から捲り差しをするとか、ラブリーデイが後方に控えて気を窺うとか、ゴールドシップが唐突に逃げるなどすれば、他陣営の想定を大きく裏切る形となり、それでこそ勝つチャンスが広がるのでは。
他陣営の想定範囲内に収まる程度だと対策され往なされるわけですから、その過去の能力枠を超えた馬を有馬記念で用意できるのか、というのも人気3頭の陣営の大きな課題だと思います。
それに過去の有馬記念で激走した穴馬も、大抵はそうですね。G1で好走した履歴を複数持ちながら、あるいは中山コースが異様に得意な事実がありながら、ちょっとしたムードの違いで世間がやや見放した。この馬は深く考えずとも大丈夫だろうとみなした。そういう、他陣営の分析が半端だったからレースの隙にスルッと紛れ込めたパターンばかりです。
エイシンフラッシュは近走不振だったからこそマークが下がって上手く隙に入り込めて、秋に好調だったからこそ評価が高まりマークが集まって包囲されてリズムがズレた、という面はあるはず。
その「本当の能力を知られていない度合い」「能力をちゃんと見せてるのに軽視され過ぎてるムード」こそが、有馬記念で激走を導く一番のポイントではないかと考えています。

というわけでキタサンブラックですか。
この秋に充実一途でG1勝ちまで達成したのに、その特性や正体が良くわかってない。あるいは、菊花賞を勝ったのになぜかリアファルの方が評価されて、リアファルの方が展開のキーであるかのようなムードに上手く誘導されてる。この2点が大きな材料でしょう。
ディープインパクト産駒ではなく、ブラックタイド産駒であることもポイントなんでしょうかね?前回中団差しを成功させたことで、どの位置から競馬するのか今回闇の中。ちゃんとタフな性能があるにも拘らず、どう対処していいのかわからないからこその、少々地味な人気。非常に面白い立ち位置の4番人気だと思います。
個人的にはリアファルよりも前じゃないの?という考えもあるのですが…。マヤノトップガンのような現象を起こすなら、間違いなくこの馬でしょう。
まあいろいろと対処できる隠し手・カードを複数抱えて、心身がG1レベルに達した馬であるにも拘らずどういう策で来るのかわからない。これが一番の強みだと感じました。ちなみにスローペース対応力、中山コース適性も文句なしですよ。
そしてラストインパクトも、JC最先着であり絶好枠を引いたディープ産駒なのに、不当な評価を受けている有力馬。もちろん乗り下がりなのは事実ですが、この馬は今回追い込みではない可能性があります。
菱田騎手も昨年のような詰まり方をするのなら、もういっそ割り切ってラブリーデイの真後ろ・真横付けするでしょう。菱田騎手なりの解釈で、有力馬を食うレースをして結果が付いてくる…という形になりえますからね。
大外枠を引いたというだけで、リアファルより遥かに人気が薄いマリアライトのような馬も注意すべきでしょう。G1の殻を破れたディープ産駒ですからね。
キタサンブラックのような重賞3勝・G1勝ち馬を一度ちゃんと評価してしまうと、上で説明したように実績足りずなのに注目集まりすぎのリアファルの魅力はほぼ皆無ですね…。

その他、厩舎ランク上位の馬を評価するときには、「この馬はここでまだ一皮むける」ことをイメージできる履歴の馬を評価しましょう。

阪神12R
ファイナルS
◎8.グレイスフルリープ
○9.サクラエール
▲14.ナガラオリオン
△13.キョウエイアシュラ
△2.メイショウオセアン

グレイスフルリープは、前走霜月Sのレースぶりで評価を一変させるべき。
それまでは甘い流れで平均的に脚を使って後ろが来なければ…という淡泊な逃げ馬でしたが、橋口厩舎のラストスパートが効いてるのか、この2戦はスタミナ質が全然違う、馬が明らかに違うだろうという内容です。タフネスが知らん間に身についてますよね。
それにこういう場面の武豊騎手は絶対にちゃんとやってくれます。有馬記念に出られず、年間最後で日本中が注目する最終レースの、保証がある1番人気馬。これで意味の分からない飛び方は絶対にしません。
メンバー的には追い込み可能性のある馬に注意したいところですが?






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