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  【東京11R】東京優駿
◎11.デボネア
○1.ウインバリアシオン
▲7.ベルシャザール
注13.ロッカヴェラーノ
注6.クレスコグランド
△10.ナカヤマナイト
△5.オルフェーヴル


 皐月賞の時も、NHKマイルCの時も、この世代にはあまり上下に大きな差がない、ということは書き続けてきました。それは実際にここまでのパドックを見ても、その気持ちや感覚は変わりません。今回だけ条件バッチリというタイプを探す。これは今年のクラシック路線においての命題のようなもの。もちろんそれはトラックバイアスや天気(馬場)を味方に付けられるかどうかも大きいです。

 改めて皐月賞のレースを見ると、本当に見事にオルフェーヴルの進路だけがポッカリと開いたものでした。他の馬達は微妙に仕掛けが遅れたり、馬群で詰ったりなど、スムーズさを欠いた馬ばかり。外枠不利も跳ね返せず、それなりに回ってきただけの馬もいます。もちろん、僅かに開いた進路にすかさず反応できるオルフェーヴルの瞬発力は誉められる才能です。ただ、その才能が皐月賞では上手く嵌りましたが、ダービーで嵌るとは限りません。改めて全馬ほぼフラットの視点で予想に望むべきだと思っています。

 雨の影響も考慮すれば、本命はデボネア。骨量・筋肉量豊富。四肢だけでなく背中も長めで、一見すると瞬発力勝負なんてどうやって対応するのかと思える体型ですが、それでも弥生賞や皐月賞ではそれなりに格好を付ける内容。むしろ馬群を捌けずに仕掛けが遅れて明らかに脚を余した皐月賞よりは、内で渋太く立ち回った弥生賞の方が評価できる内容。背中の強さは世代でも上位に入るので、道悪になってもそう簡単にスタミナ切れを起こすタイプでもないと思いますし、脚捌きに多少癖があるだけに、パンパンの良馬場よりは時計が掛かる状況の方が向いています。血統的にも産駒は重馬場でも割り引く必要がないです。デットーリ騎手が乗ることになり、明らかに人気し過ぎなのは正直嫌です。下手に人気を集めてマークが厳しくなるのは実力が拮抗している状況では不利になります。何も圧勝する必要はないんです。セコく乗ってハナ差で勝てばいいのですから。未だ1勝馬の身ですが、世代の能力が僅差だからこそ。成長次第でいくらでも逆転は可能です。言ってしまえば、コティリオンでさえGT2着できる世代なんです。裏街道を歩んできているのなら話は別ですが、王道ローテを歩んでのものなら、1勝馬でも割り引く必要はありません。

 相手にはウインバリアシオン。青葉賞から参戦する馬で結果を出している馬のほとんどが皐月賞に参戦していません。皐月賞出走が叶わなかった大きな理由としては、成長が皐月賞トライアルの時点で上位に追いついていない、ということがあります。トライアルで権利を取るか、そこまでに賞金を加算していなければ出走できないので、ある程度、成長の早さが求められるのが皐月賞です。ウインバリアシオンは新馬戦と野路菊Sを連勝したものの、重賞戦線では今一歩足りない結果が続いていました。ところが、青葉賞では明らかに背腰が良くなってきて、馬体面での成長もしっかり見て取れるようになりました。そして何より、レースのペースがスローで直線だけの競馬。あの流れなら本来はショウナンパルフェが勝っていなければいけないレース、つまり、ショウナンパルフェが「その時バッチリ」のタイプだったはず。ところが、最後方付近から4コーナーも外を回し、大外から一気に差し切った内容は、1頭だけレベルの違う馬が居た、という解釈ができます。トーセンレーヴのように、トライアルの時点で既に一杯一杯で権利をもぎ取ってきた馬は上積みが無いので、本番では期待できませんが、弥生賞から間隔が空いたウインバリアシオンには上積みも十分見込めるはず。ここに来ての成長が著しい馬として期待して良いと思っています。残念ながら、ショウナンパルフェは「バッチリ」でも勝てなかったということで、そこには着差以上に大きな差があるように感じられるので評価を上げられません。

 ベルシャザールは注文付きで。スケールの大きさなら今回のメンバーでも1番手だと思います。ただ、前走は調整が上手くいかなかったのか、骨格の割りには妙に馬が痩せて見えましたし、腰も甘くなっていました。この馬の骨格で体重が減るのはあまりよくない傾向。調教後馬体重では一応550kgにまで戻してきてはいます。ただ戻しただけではもちろん用無しですが、それで確り馬体の立て直しもできているのなら、可能性は出てくると思います。ただ、最近の松田国厩舎の馬の仕上げを関東で見ていると不安の方が大きめ。多少行きたがる癖がある馬で、前走も前半から終始折り合いに苦労している様子でした。さすがに坂で一杯になってしまいましたが、折り合い一つでその辺りの克服は可能なはず。

 以上3頭は可能性がありそうで、かつ、脚長の馬。ダービーでは脚長が圧倒的に有利で、脚が短く小柄なタイプだと、自分の記憶では、勝った馬としてはアドマイヤベガくらい。2、3着でもローズキングダムとアドマイヤオーラくらいのもの。それだけ、馬場や展開がどうであろうが、スケールが小さいというのはダービーにおいて非常に不利と言えます。
 ステイゴールド産駒のオルフェーヴルとナカヤマナイト。スケールの大きさでは劣るのは明らか。それだけでも大きな減点材料になっています。気持ちとしてはこの2頭が掲示板外に負けてくれれば、パターンとしては非常にスッキリしていていいのですが、それでも、ステイゴールド産駒は道悪は基本的に得意。09年も結果4着と届きませんでしたが、後方から猛然と追い込んだのはステイゴールド産駒のナカヤマフェスタでした。オルフェーヴルは皐月賞で緩い馬場を克服してるので問題ないでしょう。ナカヤマナイトも陣営からは緩い馬場が良くなかったというコメントも出ていましたが、それよりも問題はデキの面だったと思っています。共同通信杯から皐月賞直行は鬼門ローテ。一度使われたことで、上積みが見込めるのは好材料。

 他に無理やり脚長からピックアップするなら、ロッカヴェラーノとクレスコグランド。一応逃げ馬不在のレースなので、先行履歴がある脚長馬ということで。ただ、クレスコグランドはさすがに今までのレースレベルが低いのは気になりますし、ロッカヴェラーノは馬体の形は悪くないのですが、もう少しパンとしてきて欲しいところ。道悪対応という面では馬力不足になるかもしれません。





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