スタッフコラム一覧へ戻る



  札幌10R
すずらん賞
◎6.スギノエンデバー
▲2.サーストンサブリナ
△5.プレアデスセヴン
△9.トーセンインディ

スギノエンデバーが日本縦断するほどの距離を移動し、わざわざ北海道の2歳オープンを奪いに来ました。
小倉2歳Sを経た馬は、普通阪神開催に備えるか、この後の京都の番組に移りますよね。このローテは本当に珍しいです。
当然、厩舎も何らかの確信めいた意図があってのものだと思います。

今回、函館2歳Sの3着馬と、小倉2歳Sの3着馬が同時に出走していますが、1200mの走破タイムに2.5秒もの差があるようです。
実際、どっちが内容優秀なの?と言うのを見比べて、小倉で戦った馬の方に分があるでしょうと厩舎の人たちも感じたからこそ、この日本縦断を敢行したんですよね。
自分も、以前から1分9秒後半〜10秒台で争ってばかりの札幌2歳オープン戦は勿体無いと思っていました。
箱庭競馬でメンバーも限定されていて、外敵もやって来ないので見知ったメンバー同士の馴れ合いみたいなレースが行われていたからです。

洋芝の適性もそれなりに大事かも知れませんが、函館組よりも走破タイム2秒は速い「格上の次元のスピード」を体感している馬の強みは大きいはず。
栗東での調整ではないのでパフォーマンスを落とすことはあるかも知れませんが、2歳の重要な時期に札幌でダートコース調教しかしてない、ムクムクずんぐりの馬と比べれば完成度も上でしょう。

「札幌滞在ではない」という似たような文脈で、新潟のダートで強い勝ち方したサーストンサブリナも要注意。
ゴツゴツしてる本格ダート馬ではなく、シャープな馬体していて芝でも平気そうなタイプですし、控えても大丈夫なセンスはあると思います。
あとは、ダート適性低そうなレース振りしていながら、このレースに駒を進めてきた地方馬にも注意。

★本日のメイン

  札幌11R
STV賞
◎9.フェルクークー
○7.アスターエンペラー
▲13.ティムガッド
注8.ランブルジャンヌ
△11.グレナディーン

札幌も2開催こなし、とうとう札幌2歳も終了して、芝も最後の最後。
内ラチ沿いはかなり悪そうですし、差しも決まるんですが、瞬発力で届くといった感じのレースではないみたいです。
とりあえず、札幌にいる馬を定点観察などしていないので、指数やレース振りに頼る他ないので、JRDVをちょこちょこイジります。
前日の傾向調べてみると、IDM上位馬で決まっていながら、推定上がり上位馬は軒並み沈没しているようです。

・IDM上位馬
 =履歴の上では札幌開催中にレベルの高いレース内容を見せた馬
・推定上がり1位
 =過去の後半3Fの内容を抽出して、末脚で追い詰める度合いが強い馬

のことですから、「IDM上位でありながら上がり脚では上位に並ばない」=「末脚に頼らずに札幌で上位に押し上げる力がある」と言う性質を持つ馬が今は強いようです。
末期の小回り芝は、結構こういう性質の馬が激走してきます。ペース指数でも上がり指数でも抽出しづらい要素なんでしょうね。何か上手い表現が生まれればいいんですが。
(ちなみに、札幌10Rで同じ拾い方すると、出てくるのはノーブルディード。)

なので、IDMトップのティムガッドとそれほどIDMで離されず、上がり上位5位以内にもいない馬をチェック。
すぐ見つかる所だとアスターエンペラー、ランブルジャンヌ。
しかしそのすぐ下辺りに、ちょっと面白い所でフェルクークーに注目してみます。

元々はダートで走っていた馬で、新潟直線に登場した時に強い印を打ちました。
小柄で手足が短く、かなり筋肉の収縮の硬いピッチ走法だったように記憶しているんですが、いい脚が全く長続きしないので、時計の速い芝1200mだとキツイ…と言うタイプだったように思います。
しばらく見ない内に、札幌の芝に挑戦していたんですね。
久々の芝で、外ばかりを回らされると厳しい馬が、16頭立て14番枠の中団追走から直線脚を伸ばしてきた内容。
軽ハンデだったとは言え、指数も出ていますし、これはなかなかじゃないでしょうか。

有力先行馬集団に流しつつ、差し馬の中で一番今の札幌芝に合っている馬として、この馬をピックアップしてみます。


  阪神10R
ポートアイランドS
◎4.バトルバニヤン
○1.ダノンヨーヨー
△3.タマモナイスプレイ
△7.テイエムアタック

バトルバニヤンはこの馬柱だと10倍切る単勝どころか、1〜3番人気扱いになると思うんですが。タイミングの問題なのか妙に人気がないですね。
調教の勢いが完全に落ちていることを咎められたんでしょうか?
しかし、オープンクラスの別定戦を満足に勝つことすらできないメンバーに入れたら、実力はやっぱり上に思えます。

この馬は準オープン辺りから、過剰に実力を評価されすぎてて、ハンデ戦でかなり分の悪い斤量を背負わされてたり、今回のように斤量増のキツイ別定戦になったりと、相手関係よりも斤量と戦ってるような履歴でした。
厩舎も本当は弱いメンバーと戦わせたいのに、瞬発力のないこの馬に合うレースを探すと自然とこうなってしまうんでしょう。
サマー2000シリーズにもかなり気合を入れて臨んだのですが、新潟記念は結局斤量負担の壁が高すぎたというオチでした。

しかし、レース上がりが33秒台になる、前走のような軽い脚を比べるレースだとさすがに斤量不利は大きいんですが、今回は恵みの雨が落ちるよう。
阪神の重馬場は普段の良馬場と全く世界が違います。こうなると斤量が重いことはむしろ不利にならず、過去にレベル高いレースで実績積んできた体の強さの方が生きる場面になるからです。
前脚の掻き込みがキツい大トビのこの馬は、地面が悪い状況でこそ持ち味が生きるタイプでしょう。福島テレビOP・七夕賞はともに福島の不良馬場と最終週の重馬場でした。

今回のタイミングのように、バトルバニヤンは斤量の格差の意味が薄くなるタイミングで強調し、斤量格差がキツイ場面で消す取捨をすればいいと考えてるので、今回はプラスと。
バトルバニヤンは、本当の意味での出来落ちはそんなにしたことないはず。小倉→新潟の間のあの仕上げに及ばなかったとしても、一気に衰えてしぼんだりはしないと思います。

他ではメンバーを見て格上挑戦してきたダノンヨーヨー。阪神マイル・重馬場ともに大得意。
出遅れ癖が改善されてきたのも、成長を感じ取れて好感触です。


  中山11R
スプリンターズS
◎7.ウルトラファンタジー
○9.ローレルゲレイロ
▲6.グリーンバーディー
△14.キンシャサノキセキ
△5.ビービーガルダン
△2.ダッシャーゴーゴー

グリーンバーディーが前走セントウルSを1走しただけで、既に今期国内で走った馬の1番の内容だという評価をされて、さらに1番人気を集める、そしてその流れや考え方は指数の観点だと特に間違った所はない…。
そのようなムードだという前提で話をします。

地元香港だと、グリーンバーディーと3回対戦し、3回とも先着していながら、グリーンバーディーよりも人気が薄いウルトラファンタジーに注目。
上半期を終えて休養に入っていたウルトラファンタジーからすると、勝負付けを地元で済ませているグリーンバーディーがどうやらスプリンターズSに意欲があり、さらにセントウルSをステップに出るほどやる気満々だと。
そういう話を聞いた陣営からしたら、
「自分より弱い(と思っている)グリーンバーディーが日本で全くダメだったら日本行きはナシにしていいし、この馬のレベルでも楽に通用するようなら顔を出してみようか」
と考える方が普通じゃないでしょうか。
その上で、グリーンバーディーが予想以上の健闘をして、日本で1番人気を背負うほどの趨勢だと。日本馬はそこまで弱いのか。
ならグリーンバーディーよりも前で残ってればいいんだろ、なら出てみよう。
となるのが自然だと思います。

どうも本来の馬体重より体が減っていて、どうやら本調子でもなさそう、別にボーナスも懸かっていない叩きの舞台…。
ということで人気を落としているようですが、そんなのとんでもない。
グリーンバーディーを基準に考えても、短距離界の趨勢は香港>>日本。
ウルトラファンタジーが絶好調とは行かなくても、ここで楽に押し切りしてしまう可能性を見た方がいいんじゃないでしょうか。

日本馬のトップクラスは、あくまでローレルゲレイロであり、キンシャサノキセキです。
サマースプリントシリーズを終えて、着差圧勝の形で前哨戦を制した馬はおらず、G1級に並んだと言える馬は現れてないと思ってます。
単純にズバ抜けて強い可能性を徹底して探せば、グリーンバーディーよりも確実に上の立場にいるウルトラファンタジーを素直に拾うか、あるいはセントウルSが全然大したことのないレースだとくさした上で、ローレルゲレイロかキンシャサノキセキを強調するかしかないと思います。

あとは、当日の直前情報で。






スタッフコラム一覧へ戻る
M-JRDV文字サイズ設定 ||