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★本日のメイン

  札幌11R
エルムS
◎9.アドマイヤスバル
○5.オーロマイスター
▲4.エーシンモアオバー
△1.クリールパッション

今年の札幌ダートは、例年と一緒か、あるいはやや時計の速い水準をキープしているようですね。
木・金に雨があったりした時は、それがすぐ乾かず少し影響が残った…と言う週のよう。
だとしたらなおさら、1分43秒前後・時には42秒台にも突入するエルムSだけに、クリールパッションが完勝して1分44秒0だった今年のしらかばSを、そのまま参照していいのか正直疑問が残ります。
今年のしらかばSの再戦だと、それよりも1秒は速い水準で決着するエルムSに見合わないでしょう。しらかばSで届かなかった追い込み馬は、時計面・適性面で完全に期待薄ですね。
また、エーシンモアオバーが1分42秒9で完封した(51kgでしたが)昨年のしらかばSの方を見た方がいいですし、あるいは別路線から混じった馬を重視するべきでは。

であればやはり、ニフティに上げたコラムと特に変更はなしで。
過去の持ち時計は実はそこまで良くないんですが、5〜6歳の頃より確実にパワーアップしてるだろうアドマイヤスバルに期待します。
ちょっと以下はニフティからの流用。
−−−−
もって生まれたスピードセンスや素軽さが試される芝と違って、筋肉の総量と鍛錬の蓄積で走るのがダートだと思います。

言うなれば、芝部門の古馬クラシックは、世間からすぐに発見されやすい「馬固有のセンス」を持ってして、トップクラスにまでグングン上り詰めるのが比較的容易。それと同時に、常にピークの陰りを気にしなければならず、数を使うごとの消耗が著しいと言う側面もあるでしょう。
そういう世界と比べて、ダートのクラシックの方は、関節や足元がガッチリ固まっている「頑丈」を売りにした馬が多い印象。スピードセンスだけで一気に頂点まで…と言う馬は、G3水準で壁に当たることが多いはずです。1年から2年と苦労に苦労を重ね、骨量を増やしてしっかりした筋肉を身に付け、大崩れしないキャラを構築していくのがダート界の手順であり、芝部門とは対照的に一度頂点まで上り詰めた馬がなかなか席を譲らず、年齢を重ねた馬達がずっと居座るために、ピラミッドの層が随分分厚くなってしまう傾向があると思います。

今回はそういった序列に注目。
ペースが遥かに厳しい、G1メンバー相手の競馬で揉まれた馬は、オープン程度でテレテレになる馬と違い、いろんな箇所がかなり確りしてます。
肩幅があって掻き込みがより強い馬は、コーナーワークでペースを落とさずに回る精度に差が出ますし、繋(ツナギ)ぎが強くて体の軸のブレが少ない分、勝負所で窮屈になったり体をぶつけたりした時に遅れを取ったりしません。
アドマイヤスバルは今回実績の差で1kg背負いますが、このクラスの1kg増は負担ではなく勲章。
箱庭競馬で適性の高さを頼りにチマチマ稼ぐしかない馬などは、ここで圧倒して欲しい場面です。

同時に、もう一つポイントとして挙げたいのは、エルムSの内枠からの競馬の難しさ。
3枠4枠辺りに少しズレたり、あるいは逃げる馬だったりするとまた違うと思うのですが、このエルムSと言う舞台も、夏の阪神プロキオンSと並ぶほどに外枠有利のレース。
あちらは変則コーナーで内に押し込められる不利や、スタート直後に高い位置を取りに行くために脚を使わされる点など、わかりやすい部分があるのですが、この札幌ダート1700mの外枠優勢は、上のクラスでしか起こらない現象です。
特に目立つのが、内ラチ沿いをブラブラ絶好の手応えで回っていながら、直線で狭いところを割り切れずに差し遅れるパターン。
隊列を構成する先行勢がどの馬も強く、手応えを残したまま1〜5番手の馬が全員直線に向くので、前を塞ぐ壁が非常に強固であるためです。
今回などはメンバーを見るにそれほど先行馬が揃った印象はありませんが、それでもクリールパッションの立場からすると、エーシンモアオバー・オーロマイスター・アドマイヤスバルと3頭並んだ直線の壁を交わすのは、前走しらかばSに比べて非常にやりづらそう。
前走の再現を期待されてクリールパッションが人気を集めるのであれば、そんな簡単な話じゃないぞというのを今回の予想の主題にします。
−−−−まで

オーロマイスターは、前走不良馬場で千切られた4着ですが、上位はシルクメビウスとカネヒキリという超格上相手。
これは単純に復調を見せてきたと言っていい内容ですし、今回は遥かに相手が弱いです。
そして、昨年のしらかばSで51kgのエーシンモアオバー相手に中団位置から追い詰めて1分43秒2という記録があるのも強み。
エーシンモアオバーは、隊列も非常に良いですし、札幌の高速決着なら常に上位扱いと言う意味での3番手。

しらかばSと同じ競馬をしたいのがクリールパッションですが、もっと速いペースで押し切ろうとするのがエーシンモアオバーで、さらにもっとキツイペース上等なのがアドマイヤスバルとオーロマイスターです。
クリールパッションは、滞在の軽い調教・札幌コース適性に頼って競馬するしかないのが現状で、相沢厩舎がこの馬をもっともっと強くなるよう鍛えている状況があまり思い浮かびません。
そのため想定外の相手強化に対応できるタイプではないと感じています。


  阪神10R
エニフS
◎10.ケイアイガーベラ
○6.ワールドハンター
△8.セイクリムズン

出走登録の時点で既に13頭。
これはほとんどケイアイガーベラを見て尻尾巻いて逃げたと言われてもしょうがない状況…。
この馬を向こうに回してレースで戦いを挑んだ先行勢には拍手を送りたい所です。

ひとまず、ケイアイガーベラはいいでしょう。
元から坂路でとてつもない時計をバンバン出すタイプでしたが、単純な基礎性能が遥かに違うと言うことを前走で見せてくれました。
あのレース1つだけで、今のダート短距離界ではぶち抜けた存在になってしまった感があります。マリーンCは一体何してたんでしょうね…。
今週もビッシリ追っての出走で、別にそこまで背負ってない55kgで、高いパフォーマンスを見せた阪神1400mなら、これは消す理由が見当たらないです。ここは素直に入った方が。

IDMで66〜68ぐらい出していれば合格ラインと言える昨今のダートOPクラスですが、今回出走しているメンバーは65に本当に届くのかといった面々ばかり。
セイクリムズンが前走ようやく強い勝ち方をしたのを除くと、過去最大IDMでもちょっと無理っぽい感。
状況からして、阪神コースの適性がどうこうではなく、レベルの高い走りに対して追い縋れるかどうかが重要だと思うので、「ここで過去最高が出せるか」に視点を移すなら…

まだ期待してもいいと思えるのは、ワールドハンターでは。
この馬の本領は、やはり先行しての粘り込みです。準OPの阪神1400mをIDM66で勝ち上がったのは、何と2年前。
すぐOPクラスで戦えそうな内容を示したのに、反動が出てしまった(確か蹄か?)ためか、本来のスタートダッシュが全く効かなくなり、後方追走ままダラダラしたレースが続きます。
しかし、2走前辺りからようやく腰のブレがおさまり、ゲートを出せるようになったと同時に、馬体のメリハリが随分変わってきた印象。
実はその背景としても、かなり底辺まで落ち込んでいた坂口厩舎の成績が、この夏グングン上がってきて、小倉で重賞を制するなど今では上位厩舎と肩を並べるほどのムードになってるのもあります。
厩舎の上昇とともに、しばらく気持ちがくさっていた馬の気配も大幅に立ち直ってきたんですね。
前走の芝OPは低レベルで…と世間の目線はちょっと下げ気味でも、往年の力を取り戻し、走る気になっている馬であれば強調できると思います。




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