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土曜のメインレースは、1分31秒台と言う驚きの時計が出ましたが、それを下級条件に当てはめた場合、内側が絶好の単なる前残りです。
自分としては、上のクラスの「時計性能大丈夫な馬」をうんうん悩むよりは、下級条件の芝で逃げ番手馬を一本釣りしたいところですね。

  東京9R
ホンコンJCT
◎5.トゥリオーニ

新潟で見た時には「まだ緩いんじゃないのこれ…」と思って印を外してしまいましたが、内ラチ沿いの馬場不利すらも克服しての勝利。
基礎性能は確かにいい馬で、上積みの方がむしろあると見て今回も評価していいと思います。
長期休養のブランクを、ようやく今取り戻しに掛かる時期でしょう。

また、今回は降級直前の4歳馬が13頭中9頭。
大半は1000万勝ち上がりに相当苦労していて、ここで勝つには結構運の頼みが必要なレベルが多いです。
本当にこの時期の4歳馬は仕上げが露骨にヌルいことがあったり、あるいは一叩き前提での出走なので競馬が淡白だったり(とりあえずペース考えず逃げるだけとか)するもの。
例えばヒカルルーキーなんか、絶対にここを狙ってるわけありません。
そういう忘年会チームに比べれば、トゥリオーニの方が遥かにまともな仕上げで出てくるんじゃないかと思うんです。


★本日のメイン

  京都10R
下鴨S
◎11.マルティンスターク

素質考えるとアドマイヤメジャーでいいでしょ、と最初思うんですが、これぞまさしく降級直前の一叩きですよね。
この馬が連荘したのは夏場の中京→阪神開催で、京都未勝利の馬ですし。
この後の開催日程を考えつつ、京都じゃないとまずい馬に目を光らせたいところです。

京都内回りの少頭数ハンデ戦ということで、マルティンスタークを良馬場で見直し。
前走は酷い不良馬場で、内枠&内ラチ沿い最悪だった日。物凄い外伸びスタミナ馬場でした。
このメンバーなら前半スロー確定でしょう。ブラストダッシュ・リアルプリンスともにスローペース歓迎タイプの先行馬ですから。
スローペースで直線の短いコース設定でありながら、全馬の中で斤量が一番軽いと言うのを強調します。

  東京11R
安田記念
◎17.ショウワモダン
○18.エーシンフォワード
▲16.サンカルロ
△13.マイネルファルケ
△15.トライアンフマーチ

時計の速い決着濃厚…と言うのを手がかりにして香港勢は軽視しますが、距離ロス分で不利だと思われる外枠を重視します。
気持ちとしては枠連。

これだけレベルが低いメンバーということであれば、直前の調教で抜群の動きを見せている=馬のポテンシャルからしてローテーションに余力があると判断し、過去の実績よりももっと伸びるだろう馬に注目します。
過去歴分だけ走っても安田記念勝つには足りないと言うのが前提ですから、レース詳細云々言いません。

ショウワモダンは年末年始に惨敗繰り返してますし、明らかに春に後藤が乗り始めてから充実してきたと言うローテ。
これだけ馬格のある馬が、フットワークの様子を変えてくるというのは相当な変化です。
金曜の雨は残念ながら馬場に残らなかったんですが、メイS分だけの対応力を見せれば、この馬場でも頑張れるかと。
59kgで勝ったと言うのが、初58kgを背負う4歳勢に比べて非常に良い経験ですから。

エーシンフォワードはもちろん使いすぎ懸念すべきローテなんですが、多分この動きが出来るのなら馬がいいんじゃないかと。
持ち時計は最上位ですし、悪い状態で出て京王杯を軽くしか負けなかったというのも好感。
今年のスピード馬場なら、レコード勝ちか短距離経験を重視すべき場面ですが、この馬は後者がありますし。

サンカルロは、昨年末〜今年の春の短距離路線で唯一対応できているロベルト系。
もちろん現状は実績不足なんですけども、日本で一番軽いスピードに対応できるロベルトと言い換えてもいいです。
マイルで戦わせるなら、スマイルジャックよりもよほど良い経験を積んでます。距離を延ばして突っ込んできていいタイミングだと見ます。

Ust放送で詳しく話したんですが、安田記念は内枠の人気馬がやたらマークがきつく、馬群を割って抜け出すという戦略は期待しないほうが得策。
その上で、スピード持続力に期待したほうがいいレースですから、そういった目線で馬を選ぶべきでしょう。隊列論も重要。

7枠のマルカフェニックスは、前走高速決着に対応した追い込み馬ではありますが、さすがにこの馬はマイルで限界が来る走りをしてるので、1400mがピッタリの追い込みよりも1400mで差し遅れたサンカルロを上位に採るという考え。

  東京12R
ユニコーンS
◎13.バーディバーディ
○16.タイムカード
▲1.バトードール
△3.バルーン

(ニフティに載せたものそのままですが、変更ないのでそのまま。)

上半期のJRA3歳のための唯一の重賞が、このユニコーンSです。
2勝以上馬がこぞってこのレースに集まるため、近走に1着履歴の多い馬柱が並び、それはそれは豪華なメンバーであるように見えるのですが、その中に短距離馬が多数混じっているというのが大きな問題点です。
3歳の上半期は、基本的に芝クラシック重賞のための番組構成になっていることが多く、ダート馬のためのオープン戦にバラエティがないというのが実情。2月のヒヤシンスS(東京ダ1600m)、4月の伏竜S(中山ダ1800m)、5月の端午Sと昇竜S(今年は2つとも京都ダ1800m)と片手で数えられる程度しかありません。
大抵のダート馬は地方へ出稼ぎする形でローテを繋ぎます。好走確率が低くとも芝のクラシック重賞へ出走させる例も数多く見られますし、今年はマカニビスティーのように、南関東へ転厩するパターンも新しく見られました。
そしてひとまずこのユニコーンSへ出走させてから春のローテを終えようと、ジャンル無視でこのユニコーンSへ集結しがちです。

その歪みが、このユニコーンSのレース展開を奇妙なものにしてしまっているというのがここでの主張。
ダートの短距離を連勝してきて勢いのあるスピード馬が、マイペースのつもりで府中のマイルをイケイケのオーバーペースで先行し、それが全体のラップを標準以上に厳しくしてしまうという、このレース特有の流れです。
この仕組みがあるために、例年テン3Fは数頭が雁行する流れでも34秒台前半を記録しますし、差し込んでくるのはほとんどマイル以上の距離で勝った経験のある、「折り合い」のキッチリ付く馬。
短距離のスピード馬がその持ち味を生かすほどには、アッサリした展開になりません。
この構図を今年も踏襲して予想しましょう。

短距離馬軽視を主体にする予想からもう一つ踏み込んで、「履歴の上では前走1600〜1800mを経験してはいるが、好走は1400m以下しかない」という馬の扱いを考えてみます。
今年は端午Sが標準並で、そこそこ良い内容だろうと踏んだので、切り捨てます。マイル以上の連対歴がなければ、中距離を走った経験があったとしても適性で劣ると捉えます。
となると、比較的人気馬を高く評価する真っ当な考えに至ります。
穴馬も、馬そのものの性能でピックアップしても流れに乗り損ねて掲示板の下だけ…と言うことが多いので、注目すべきはローテーションの妙。
ダートのオープンで好走していながら、図抜けた内容ではないために評価を落としているという馬を、距離経験がある事に注目して拾い上げます。

バーディバーディの前走、兵庫チャンピオンシップは非常に強い内容でした。砂の深い良馬場で、途中からかなり縦長になるハイラップでありながら、向正面から早めのスパートを仕掛けて全く後続に影を踏ませずの完勝。上がりの時計は要しましたが、基礎体力が断然上である所を示しました内容です。
兵庫チャンピオンシップ勝ち馬が、順当にこのユニコーンSを連勝するのは意外と難しいのですが、それでも今回出走している先行馬に比べれば遥かに格上の存在。大崩れは無く、安定軸に据えられる強調点は推せます。斤量面についても、この時期の1kg増は大きなマイナスにはなりません。勢いや性能上位を素直に受け止めた方が良い場面ですから。
逆に、先行勢をバーディバーディに潰してもらって、その後から差し込むだけだったサンライズクォリアは評価を下げました。
端午Sは途中でグッと緩む場面がありましたが、比較的先行争いしているラップ区間が長く、後半スパートも早めの展開でした。上位好走馬は総合力を素直に信用して良いレースでしょう。
バトードールは外枠で揉まれない形の理想的な競馬ができました。その分、内枠で位置取りを下げ、窮屈な競馬をせざるを得なかったタイムカードを上位に見ます。今回はこちらがスムーズな競馬が出来そうです。
同じ端午Sで、その下の4着に追い上げてきているバルーンが穴。東京コースのマイルを勝ち上がってきていますし、東京コースは全く大崩れしていない適性の高さがあります。この馬などは、地力で見劣る部分を適性・経験でカバー出来てよいパターンでしょう。

(京介)




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